漆器の名工の「伊豆の長八美術館」(松崎町)
伊豆は故郷ですが、「入江長八」の偉業に関しての知識はありませんでした。
写真旅で立ち寄った「伊豆の長八美術館(ちょうはちびじゅつかん)」内に展示されていた、入江長八の繊細で艶やかな漆喰鏝絵に感動したことをおぼえています。
長八が活躍した東京では、長八作の漆喰や細工の多くが失われ、松崎町に保存されていた作品が主なものとなり、美術館では長八の代表作60点余りが展示されています。
生来の手先の器用さを活かすことを目指したのか、12歳の時に松崎の左官に弟子入りし、19歳で江戸に向かい狩野派の絵を学び、その才能を発揮したようです。
漆喰を以て絵を描き、華麗な彩色を施し新機軸をひらいて、長八独特の芸術を完成したようです。
写真の「焙烙の静御前(ほうろくのしずかごぜん)」は、髪の毛1本々を繊細に描き切っており、その技術の高さには目を見張るものがあります。
「富岳」「三保の松原」など、伊豆から近い富士の情景を題材にした作品も見られ、その作品の広さにも驚かされます。
漆喰で作られた「なまこ壁」で知られている松崎町ですが、漆喰の芸術「鏝絵」は、松崎町史跡の「明治商家 中瀬邸」や「伊豆文邸」などでも見ることができます。
散歩内の範囲にありますので、足を延ばしてみましょう。
長八美術館 | |
鏝と漆喰の芸術家「伊豆の長八」 | |
館内の一部 | |
染料の一部 | |
佐官鏝のいろいろ | |
白の漆喰から色づけの過程 | |
静御前 | |
ランプ掛けの龍 | |
焙烙の静御前 |
2016年7月16日