妻の働きで変わる夫の年金額

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夫婦で長く厚生年金に加入している場合、夫婦いずれかの厚生年金加入期間により、受給可能な「配偶者加給年金」や「振替加算」が受給できない場合があります。

 

例題でご説明します。

<例題>

妻は昭和30年5月生まれで現在61歳ですが、再雇用制度を利用し厚生年金加入中です。

GUM05_CL08020_burogu年金加入期間は厚生年金加入期間が19年と国民年金納付期間を合算すると年金受給権のある方です。(年収は850万円以下です)

夫は5歳年上の66歳で厚生年金加入期間が20年以上あり、現在老齢基礎年金と老齢厚生年金に「配偶者加給年金」を受給中です。

 

<ケース1の場合>
Q,妻の厚生年金加入期間が20年になる前に、会社を退職した場合の夫の年金額はどうなるか。

夫の年金額は現在受給中の年金が、妻が65歳になるまで支給され、妻が65歳になると夫に支給されていた「配偶者加給年金」が支給停止となります。

配偶者加給年金の支給停止に伴い、妻に生年月日に応じた「振替加算」が支給されます。

 

<ケース2の場合>
Q,妻が61歳で会社を退職せずに厚生年金に加入し、厚生年金加入期間が20年を超えた時点で退職した場合の夫の年金額はどうなるか。

この場合は、妻が退職した月の翌月から、夫に支給されていた「配偶者加給年金」は支給停止となり、原則復帰することはありません。

妻が65歳になるまで支給される予定の夫の「配偶者加給年金」は支給停止のままになります。この場合、<ケース1>で妻が65歳になると支給される「振替加算」も支給停止となります。

 

以上のケースでお分かりのように、妻の厚生年金加入期間が20年を超えると、配偶者に支給される付加的年金の「配偶者加給年金」と「振替加算」は支給停止となります。
(注意:上記ケースで妻と夫が逆の場合は、年金支給開始年齢の引き上げにより、男女の年金支給開始年齢が異なるため支給停止時期が異なってきます)

平成28年度の配偶者加給年年金額は、390,100円で、将来妻に支給される振替加算額は平成28年度価格で50,962円となります。

 

年金相談時に、妻が厚生年金に加入し続け、20年を超えても働いたほうが良いのか、20年前に退職し付加的年金を受給したほうが良いのかという相談をよく受けます。

妻が働いた場合には、給与収入と厚生年金加入期間が加算された年金が退職後に加算されて受給できますので、一概に付加的年金を選択したほうが有利とは判断できません。

 

また金額以外にも働くという生きがいの問題、退職し夫婦でセカンドライフを楽しむ等の考えもありますので、年金見込額をお出しして夫婦で考えて頂くことにしています。

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