請求多い「年金繰り上げ制度」
公的年金を受け取り始める年齢は原則65歳からですが、仕事や貯蓄額など、老後に向けた備えなどで早く受け取りたいケースも考えられます。
65歳を待たずに年金請求する「繰上げ受給」を選択する人の比率は、3割近くになります。
繰上げ受給は、最も早くて60歳から受け取りが可能ですが、いくつかのデメリットが発生することを理解して請求することが大切です。
Q,デメリットの内容は?
年金の受給を前倒しにすると、月々の受取額が減ってしまいます。
1か月早めるごとに0.5%ずつ年金額が減額され、60歳で受け取りを始める場合30%(0.5%×60か月)年金額が減額され、この減額された年金が終生続くことになります。
65歳から受け始めた場合と、60歳から繰上げ受給し、本来の年金額から70%減額された場合の受取年金額の総額を比べた場合、76歳8か月以降は繰上げ受給が下回ってしまう計算になります。
人生100年時代と言われていますが、老後の生活資金や健康状態などを考え慎重に検討したほうがよさそうです。
繰上げ受給の手続き後は、取り消しや時期の変更ができないため注意が必要です。
繰上げ制度の詳細は「日本年金機構」のホームページをご覧ください。
2021年10月20日