退職後の「社会保険の手続き」
退職者の相談で多いのが、退職後の社会保険や雇用保険に関する相談です。
今回はそれぞれの確認ポイントを整理してみましょう。
Q,退職後の健康保険は
退職後の健康保険は以下のいずれかに加入することになります。
- これまで加入していた健康保険の任意継続被保険者となる
- 国民健康保険に加入
- 家族の健康保険の被扶養者となる
健康保険の任意継続被保険者となる | ・2年間に限り会社の健康保険に加入、家族も引き続き加入 ・退職日に翌日から20日内に住所地管轄の協会けんぽに申請 ・原則、在職中と同様の保険給付が受けられます ・保険料は全額自己負担です(注1) |
国民健康保険に加入 | ・居住地の国民健康保険に一般保険者として加入 ・加入手続きは資格喪失後14日以内に居住地の町村役場で行います ・保険料は前年所得に基づいて計算されます(注1) |
家族の健康保険の被扶養者になる | ・配偶者や子供が加入している健康保険に被扶養者として加入 ・保険料の負担はありませんが、年収要件等があります |
(注1)任意継続被保険者か国民健康保険に加入するかの判断に迷う人が多いですが、
事前にそれぞれの保険料額を確認して判断することをお勧めします。
保険料は在職していた会社加入の健康保険組合と、居住地の市区町村役場で確認できます。
Q,退職後の雇用保険の手続きとは
退職後に雇用保険の基本手当(失業給付)を受ける場合には、ハローワークで手続きが
必要です。
基本手当は原則として、退職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月(注1)以上あり、就職の意思、能力がある人が対象になります。
<手続きから受給まで>
- 退職後、住所地管轄のハローワークで「求職の申込」をし、失業の認定を受ける(離職理由に問題がなければ受給資格が決定します)
- 受給資格決定の日から7日間の待期期間(注2)を経て、基本手当の支給が開始されます
- 支給開始後、原則として4週間に1回ハローワークで失業の認定を受けることになります
(注1)倒産や解雇などで離職を余儀なくされた場合などの時は、6か月以上
(注2)自己都合退職の場合、さらに3か月の給付制限期間があります。
<注意事項>
特に注意したいのが、基本手当と年金の調整です。
ハローワークで求職の申込をすると、受給中の老齢厚生年金が支給停止となり、基本手当受給期間が経過するまで、全額支給停止となりますので注意が必要です。
ほとんどの人が、年金額より基本手当額が多いため、基本手当の受給を選択しますが、
退職前に事前に確認しておきましょう。
また基本手当受給期間後の年金支給再開月も確認しましょう。
2019年4月24日