「出産から育児」までの公的給付・制度

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出産から育児までの公的給付・制度は、健康保険、雇用保険や厚生年金の特例、自治体独自の制度など管轄が異なり、すべての制度をもれなく使いこなすのは大変ですね。

 

2016年3月に「育児・介護休業法」が改正され、妊娠・出産・育児期の必要な時期に男女とも離職することなく働き続けることを目的に改正されています。

 

ここでは、出産から育児までの公的給付・制度や仕組みを整理し、その概要を確認してみましょう。

 

 

 

<産前産後期間の制度など>

制度など 内   容
母性健康管理指導事項連絡カード 妊産婦が医師などから受けた指導内容を事業主に伝えるために使うものです。事業主は記載内容に応じた適切な指導を講じる必要があります
産前休業 出産予定日の6週間前(1子の場合)から本人の請求で取得できます。実際の出産が出産予定日よりの前後した場合、短縮・延長があります
産後休業 出産の翌日から8週間は就業できません。ただし、産後6週間経過後、本人請求で医師が認めれば就業できます
産前産後休業の
所得補償
会社の労働協約や就業規則の定めによります。賃金が支払われない場合は健康保険の被保険者には「出産手当金」が支払われます
産前産後休業期間中の社会保険料の免除 産前42日、産後56日のうち働かなかった期間の厚生年金保険、健康保険の保険料が免除されます
年休と産前産後休業 産前産後休業は欠勤ではなく出勤したものとみなされます
妊産婦の時間外、休日労働など 妊産婦が請求すれば、法定労働時間を月単位・年単位で清算できる変形労働時間制、時間外・休日労働などの就業が免除されるます
出産育児一時金 被保険者や被扶養者が出産したとき、申請で健康保険から一児につき42万円が支給されるます。(注1)多胎児は胎児数分を支給(お産費用の全国平均は50万5千円)
出産支援金(自治体) 自治体が独自に行う制度で、出生児に対して既定の金額を支給。父または母の受給者に対して一定の条件等があります
妊産婦検診費用助成金(自治体) 自治体から妊婦健診と検診に伴う自費の検査費用の助成があります(厚労省推薦:14回受診することが望ましいとしています)
通勤緩和 医師等から通勤緩和を指導された妊娠中の女性は、始業・就業時間を30〜60分程度の時差を設けることができます

注1)出産した女性が夫や親の扶養に入っている場合は、夫や親が加入する健康保険
などから「家族出産育児一時金」として同じ額が支給されます。

 

<育児期間中の制度など>

制度など

内   容

育児時間 生後満1年に達していない子を育てる女性は1日に2回、それぞれ少なくとも30分の育児時間を請求できます
育児時間中の賃金 育児時間中の賃金は、就業規則などにより決められ、会社により異なります
通院休暇 妊娠中や出産後の検診や症状で通院する場合、就業規則がなくとも取得ができます。会社側が一方的に年休を充当できません
育児休業・育児休業期間 父母は子が1歳に達するまでの間、申し出た期間の育児休業を取得できます。父母のどちらか一方や、父母で半年間なども可(注2)
育児休業中の社会保険料 無給の場合は、育児休業給付金が雇用保険から支給され社会保険料が免除されます
育児休業と年休 育児休業期間は出勤したと見なされ、有給休暇取得の8割の出勤率に反映されます
看護休暇 小学校入学前の子供がいる場合、年休とは別に1年に5日まで看護や予防接種などを受けるための休業が取得できます
保育園補助(自治体による) 国基準の認定保育所や東京都独自基準の認定保育所を利用すると、保育料の補助が受けられます
子育て支援サービス(自治体) 子ども家庭支援センターなど自治体独自の子育て支援サービスなどが利用できます
医療費補助 子供の年齢により、健康保険診療の自己負担分などが助成されます。年齢や助成の範囲は自治体により異なります
児童手当 0歳から中学校卒業までの児童を養育している父母に支給されます。毎年2月、6月、10月に各前月までの分を支給

※その他、育児のための短時間労働や時間外労働に関しても、一部労使協定によるところがありますが、1日の所定労働時間の短縮や、時間外労働の制限を請求できる場合があります。

(注2)夫が育休を取得する場合でも、育休開始から180日の給付額は賃金日額の67%なので、夫婦2人で育休を取得したほうがお得になります。
育休期間も1歳2ヶ月まで延長される「パパママ育休プラス制度」もあります。

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