厚年基金廃止議論「基金解散案」

厚生労働省の厚生年金基金制度の改正案は、本来は自己責任の原則が適用される厚生年金基金の運用損失を、最終的には一般の会社員にも負担させる中身になっています。

ET135_L_jimusho_br改革案で基金の倫理欠如として問題となるポイントの一つが、財政難の基金とは無関係な会社員や企業が、厚生年金保険料での穴埋めを盛り込んでいる点です。 ここで、積立て不足は全額を自力で補てんするという大原則が崩れた形になっています。

厚生年金基金制度の改革案のポイントは以下の内容です。

<財政基金への対応>
①財政難基金は、5年以内に解散(半数の基金が対象になります)。
②国への返済額の減額か納付期間の延長を検討。
③倒産した企業が抱えていた損失を加入企業が連帯して負担する制度を廃止する。
④最終的に残った積立不足は厚生年金保険料で穴埋めする。

<企業年金の持続的可能性を高める>
①中小企業向けに新しい企業年金を創設する。
②基金が確定給付企業年金に移行した場合、積立不足額の償却期間を30年に延長する。

<企業年金の方向性>
①10年後に廃止する。
過去に、公的年金部分を国に返上してきた厚生年金基金は、自己負担で損失を補填して きましたので、自助努力と公的救済をいかに線引きするかがポイントになります。
(2013.5.15)