厚年基金廃止議論「基金の解散」

基金の解散理由には、以下の3つの解散理由があります。

ET115_L_jimusho_br<基金の解散理由>
①基金の任意解散
・任意解散には、設立事業所の経営状況の債務超過の状態が続く見込み、または掛金を 負担していくことが困難など、基金の運営を続けていくことが困難であると認められる ことが必要です。
・任意解散の必要な要件は、代行返上の必要な手続きと同じになります。

②基金の事業継続不能による解散。
③厚生労働大臣による解散命令。

<解散の仕組み>
①代行部分
解散により、代行部分に相当する給付部分は、企業年金連合会が引き継ぐことになります。企業年金連合会は、解散した基金から最低責任準備金相当額を徴収し、基金に代わって代行部分の年金給付をおこないます。

②上乗せ部分
最低責任準備金を超過している資産(残余財産)は、解散した日において基金が年金給付の支給に関する義務を負っていたもの(解散基金加入員)に分配されます。

分配は基金規約により行われ、分配後の資産は解散基金加入員の選択により、以下の いずれかの方法でおこなわれます。
・連合会へ移管し、通算企業年金として受け取る。
・一金として受け取る。
・上記の方法の組合せで受け取る。

<解散時における留意事項>
①事業主にとっては
解散時に最低責任準備金相当額以上の年金資産を有していることが必要で、不足している場合は、差額を補てんすることが求められます。年金資産は一切事業主には返還されません。

②加入員にとっては
年金に対する既得権、期待権がなくなることがあります。代行年金は、連合会に移管され将来連合会から支給されます。また残余財産があれば、退職時にかかわらず従業員に 分配金として支払われる場合があります。

③受給者・受給期待者にとっては
加算年金の受給者あるいは受給期待者においても加算年金が保証されるわけではなく、 最低保証額は代行年金水準であることです。

解散には、解散申し出から、解散認可、最低責任準備金の確定を得て、清算終了までの 事務手続きには数年の期間を要することになります。
(2013.4.5)