メンタルヘルス「職場復帰問題」

いま多くの企業が直面している問題の多くが「職場復帰の問題」です。 休業から職場復帰へのプロセスがうまくいかないと、休業と職場復帰を繰り返すことになり、本人にとっても不幸であり、企業の負担も大きくなります。再発者を出さない職場環境づくり が最も重要です。

ET132_L_jimusho_br厚生労働省の「メンタルヘルス対策における職場復帰支援」によれば、心の健康問題で休業している労働者が、円滑に職場復帰するために体制の整備と職場復帰までの支援の流れを以下の5段階のステップで示しています。各ステップのポイントを紹介します。

<第一ステップ:病気休業および休業中のケア>
労働者から事業所の管理監督者に、主治医による診断書が提出されて休業が始まりますが、 管理監督者から人事部門などの関連部門にも情報が提供されます。

休業する労働者に対する必要な事務手続きや職場復帰までの手順等を説明し、療養に専念できる支援を行います。

<第二ステップ:主治医による職場復帰可能の判断>
休業中の労働者から事業主に職場復帰の意志が伝えられると、事業主は主治医が職場復帰可能とする診断書を労働者に求めます。

主治医は、業務の内容を熟知して職場復帰の 業務遂行能力の可能性を判断しているとは限りませんので、あらかじめ主治医に対して 職場で必要とされる業務遂行能力を提供しておくことも大切です。

<第三ステップ:職場復帰可否の判断及び職場復帰支援プログラムの作成>
職場復帰の最終判断として、必要な情報収集を行い、職場復帰の具体的な「職場復帰支援プログラム」を作成します。作成には、産業保健スタッフ等を中心に、管理監督者、休職中の労働者の間で連携しながら作成します。

<第四ステップ:最終的な職場復帰の決定>
以下のプロセスを得て、事業者による最終的な職場復帰の決定をします。
①労働者の状態の最終確認をします。
②就業上の配慮などに関する意見書「職場復帰に関する意見書」を作成します。
③事業者は最終的な職場復帰の決定を行い、就業上の配慮内容についても労働者に通知します。
④就業上の配慮等の内容が労働者を通じて主治医に的確に伝わるようにします。

次回以降は、具体的な職場復帰までの過程を掲載予定です。
(2013.4.15)