「個人型DC」導入時の企業実務
「個人型DC」は、確定給付企業年金(DB)や企業型DCなどの既存の企業年金と比較すると、規約の作成・管理や金融機関の選定等の事務は発生せず、事務負担・事務コストの低減があります。
しかし「個人型DC」に加入する際には企業にも幾つかの事務処理が求められます。
<加入時の事務処理>
- 企業が国民年金基金連合会に対し「事務所登録」を申請する。
- 従業員が個人型DCに加入申出する都度、当該従業員の加入資格に係る「事業主証明」を行う。
<加入後の事務処理>
従業員の加入資格の変動時に「現況届」を年1回提出する必要があります。
<掛金払い込み方法>
事業主払込(給与天引き)または個人払込(口座振替)のいずれかを選択できます。
給与天引きの場合は掛金の取りまとめや源泉徴収事務が発生し、口座振り込みの場合は年末調整の事務が発生します。
払込方法は、加入後も随時変更可能のため、企業の事務処理体制を考慮しながら対処することができます。
<個人型DCの企業実務の概要>
項目 |
処理時 |
内 容 |
給与 |
口座 |
事務所登録 | 登録時 1回 |
国民年金基金連合会への 事務所登録申請 |
○ | ○ |
事業主証明 | 加入時 | 従業員の加入資格の証明 | ○ | ○ |
掛金の納付 | 毎月 | 給与天引きの掛金取りまとめ | ○ | ― |
源泉徴収 | 給与等からDC掛金額の控除 | ○ | ― | |
現況届 | 年1回 | 従業員の加入資格の変動 | ○ | ○ |
年末調整 | 従業員から掛金払込証明書の提出を受けて年末調整 | ― | ○ | |
その他 | 都度 | 国民年金基金連合会への各種届出 | ○ | ○ |