60歳超雇用者実務「65歳退職時の迷い」

ハローワークでの相談業務の中で多いのが、65歳直前での退職にかかわる失業給付と
年金との調整の問題です。

 

例えば、年度末の3月31日が雇用期間満了日で、かつ65歳誕生日が3月の場合のように、雇用期間満了月と誕生月が同月の場合の退職日を何時にするかの相談です。

退職日により失業給付の受給か、または高年齢求職者給付の一時金の受給の選択の外にも、年金と調整される併給調整の問題があるからです。

 

退職日によっては年金と失業給付が調整されずに、両方を受給することが可能になります。

 

<65歳誕生日の前々日に退職し、誕生日後に求職の申込をする場合>

この場合は自己都合退職扱いとなり、失業給付は3か月の待期期間が入りますが150日の失業給付の受給が可能で、さらに年金との調整が入りませんので、年金と失業給付
の両方を受給することが可能になります。

デメリットとしては、3月末退社に比べ3月分の給与の減収や、退職月1ヶ月分が将来の老齢厚生年金額に加算されないことです。

 

<雇用期間満了日に退職する場合>

この場合は65歳誕生日を過ぎてからの退職のため、失業給付の受給は出来ず高年齢求職者給付(50日分)の受給となります。

この場合も年金との調整はありませんので、65歳誕生月の翌月から、60歳以降(生年月日により異なる)に引き続き加入した厚生年金加入期間分が加算された年金が支給されます。

 

通常は退職に伴う雇用保険からの給付総額を判断し、誕生日前々日までに退職する場合を選択する方が多いですが、会社の退職時の要件をも考慮したうえでの判断が必要となります。

その他退職後に加入する健康保険に関する相談も多いですね。