定年後在職者と社会保険

60歳以降も継続雇用で仕事をする方は多いですが、よく相談を受けるのが公的保険です。

FB111_L_burogu_br多くの会社員は定年を迎えるまで公的保険については会社任せで、自分で判断することは少ないと思います。しかし定年後は自分で考えて選ぶことになります。

 

Q,厚生年金に加入する場合は

定年後も会社で働いて厚生年金に加入する場合、同じ会社でも違う会社に勤務する場合でも、厚生年金とセットで勤務先の健康保険に加入することになります。

保険料は会社と折半で、医療費の自己負担額は70歳未満までは3割負担となります。
130万円未満の被扶養者がいる場合は、健保の被扶養者となります。

 

Q,厚生年金に加入しない場合は

働かなかったり、働いても厚生年金に加入しない場合は、任意継続被保険者として元の勤務先の健保に加入することができます。

保険料は会社との折半ではなく、全額自己負担になります。加入できる期間は2年と短く、加入するには退職後20日以内に手続きが必要になります。

任意継続被保険者を選ばない場合は、居住地域の国民健康保険に加入することになります。

 

保険料は居住地域や世帯人数、前年所得で変わります。

任意継続被保険者の保険料は、退職時の標準報酬月額で決まりますが、保険者ごとに上限額(協会けんぽは28万円)が決まっていますので、退職時の賃金が高い方は任意継続被保険者となった場合のほうが支払う保険料が安くなる場合があります。

 

任意継続被保険者か国民健康保険のいずれかに加入すべきかの相談が最も多いですが、健康保険として受けるサービスはほとんど変わりませんので、選択のポイントは毎月支払う保険料額で選択する方が多いです。

事前にそれぞれの保険料を確認し判断しましょう。

 

<定年後も働くときの公的保険>

年齢上限

会社に勤務

起業する(※3)

厚生年金保険 70歳 働く時間が正社員の3/4(おおむね週30時間以上)(※2) 法人:加入義務あり
個人:非加入
健康保険 75歳 法人:協会健保など
個人:国保や任意継続など
雇用保険 65歳(※1) 働く時間が週20時間以上、雇用期間31日以上 非加入
労災保険 ない 働いて賃金をもらえば対象 非加入、但し特別加入できる場合もあり

(※1):新たに雇用される場合
(※2):2016年10月から一定規模以上の企業では条件を緩和
(※3):原則、自分が代表で人を雇わない場合(法人:法人設立、個人:個人事業主)