雇用保険の「教育訓練給付」の活用

ハローワークで委託業務を行っていますが、再就職支援用の職業訓練向けのパンフレット以外に教育訓練給付用の案内も用意されており、訪れる人も少なくありません。

 

ET181_L_jimusho_br「雇用保険」には、働く人のキャリアアップを支援する制度がありますが、今回はその中の「教育訓練給付制度」をご紹介します。

この制度は、指定された講座を受講し、終了すると本人が支払った受講料の一部が払い戻されるものです。

 

教育訓練給付制度には従来の「一般教育訓練給付金(以下「一般」)」と、「専門実践教育訓練給付金(以下「専門実践」)があります。

 

以下に給付制度の内容を示します。

一般教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金

利用要件 <原則>
受講開始時点で、雇用保険期間が3年以上のこと

<特例>
初めて利用する場合に限り、雇用保険期間が1年以上で可能

<離職者の場合>
退職前に3年以上の雇用保険期間があり、離職日の翌日から受講開始日までの期間が1年以内であれば利用可能

<原則>
受講開始時点で、雇用保険期間が10年以上のこと

<特例>
初めて利用する場合に限り、雇用保険期間が2年以上で可能

<離職者の場合>
退職前に10年以上の雇用保険期間があり、離職日の翌日から受講開始日までの期間が1年以内であれば利用可能

支給額 受講費用の20%で、上限額が10万円(4000円を超えない場合は支給されない) <受講中>
受講費用の40%で、年間上限額32万円、最大3年間で96万円

<終了後>
受講終了後、定められた試験等に合格した場合、受講費用の60%(年間上限額48万円)

対象となる
指定講座等
基本情報技術者、簿記検定、FP、税理士、社労士、看護師、社会福祉士、建築士など <業務独占資格>
看護師、美容師などの資格取得の養成施設の課程(訓練期間1年以上3年以内)

<専門学校>
職業実践専門課程(訓練課程は2年間)

<専門職大学院>
(訓練機関2年または3年以内)

(表の数値は令和元年度の条文に基づく)
「専門実践」は、働く人の中長期的なキャリア形成を支援するために設けられた制度です。「一般」に比較すると、より専門性の高い資格や分野にチャレンジしたい人向けの講座になっています。

また「専門実践」は、受講開始日の1か月前までに、ハローワークに事前の申請手続きが必要になります。その際に、専門のキャリアコンサルタントによる訓練前キャリア・コンサルティングを受講し、ジョブ・カードの交付を受けることになります。

会社の業務内容拡充や福利厚生のなかで、支援することも考えられます。