厚生年金基金改正「特例解散制度」

代行割れ基金の早期解散を促す特例解散制度が見直され、施行後5年以内の特例解散の申請期間が設けられています。以下は特例解散制度のポイントをQ&Aでまとめたものです。

Q,分割納付の特例とは
事業所間の連帯責任を外し、事業所ごとに債務を確定することや、利息の固定金利化を図るとともに最長納付期間を15年から30年に延長することなどが盛り込まれています。

具体的には以下の3項目うち2項目以上を満たすこととされています。

  1. 掛け金について、次のいずれかを満たすこと
    ①申出前2年間適切な年金数理に基づいて算定された掛け金を徴収していること。
    ②申出前2年間において、「基金の総掛金率×1.36/(1+基金のプラスアルファ水準)―基金の免除保険料率>2.6%」を満たす掛け金を徴収していること。
  2. 年金給付の減額その他年金給付または一時金給付に要する費用を、できる限り抑制していると認められること
  3. 基金の運営に要する費用を抑制するために必要な措置その他基金の年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額を満たすために必要な措置を講じていること

Q,納付額の特例とは

  • 代行割れが見込まれる自主解散型基金は、認定を申請できるが、申請時点で上乗せ額を支給停止します。
  • 申請を受けた厚生労働大臣は、社会保険審査会の意見を聴いて認定します。
  • 納付額の最低責任準備金は、「平成11年9月までは5.5%、平成11年10月以降は厚生年金本体の実質利回りを付利」または「基金設立時から厚生年金本体の実質利回りを付利」して計算した額のいずれか低い額とする。

その他以下の要件に該当することが必要です。

  1. 掛け金について、次のいずれかを満たすこと
    ①申出前2年間適切な年金数理に基づいて算定された掛け金を徴収していること。
    ②申出前2年間において、「基金の総掛金率×1.4/(1+基金のプラスアルファ水準)―基金の免除保険料率>2.6%」を満たす掛け金を徴収していること。
  2. 給付抑制のための措置を講じていること
    ①給付水準の引下げ。
    ②加算型基金における選択一時金の停止。
    ③代行型基金における代行部分に係る在職等による支給停止措置のプラスアルファ部分への適用。

Q,解散認可基準の緩和とは
存続基金の解散に係る代議員会の議決要件が、代議員の定数の4分の3以上から3分の2以上に緩和されます。この緩和措置は、解散だけでなく「合併」、「分割」、「権利義務の移転・承継」、「将来返上」にも適用されます。

Q,清算型解散の導入とは

  • 「毎事業年度の決算における純資産額が最低責任準備金に政令で定める率を乗じて得た額を下回る」また「事業継続が著しく困難なものとして政令で定める要件を満たす」場合には、「清算型基金」として指定します。
  • 指定日以降、基金の上乗せ給付は支給停止されます。
  • 指定を受けた基金は、解散に必要な業務が完了するまでの清算計画を提出し、承認を受けると議決要件にかかわらず解散します。