厚生年金基金制度改正内容の概略
厚生年金基金制度は、国の老齢厚生年金の一部を国に代わって支給する(代行年金)とともに、企業の実績に応じて独自の上乗せ給付(プラスアルファ給付)を行うことにより、従業員により手厚い老齢保障を行うことを目的としており、企業年金の中核をなす制度です。
平成15年9月からは、確定給付企業年金法の制定により、代行部分を国へ返し(代行返上)、確定給付企業年金へ移行することが出来ました。
さらに、平成25年6月19日に、厚生年金基金制度の見直しおよび国民年金第3号被保険者の加入記録不整合の解消を目的とした、「公的年金制度の健全性及び信頼性確保のための厚生年金保険法の一部を改正する法律」が成立し交付されました。
改正法は、平成26年4月1日から施行されています。
以下に厚生年金基金制度見直しの全体像の概略を示します。
対 応 策 |
|||
代行割れ基金の早期解散対応等 | 特例解散制度 の見直し |
解散 プロセス |
・自主解散、清算型解散の導入 ・第三者委員会における適用条件等の審査 ・申請以降の上乗せ給付の全額支給停止 ・代行資産の前納制度の導入 |
納付額特例 | 現行金額と特例金額のいずれか低い額 | ||
分割納付 の特例 |
・事業所間の連帯債務の見直し ・利息の固定金利化 ・納付期間の延長(最長30年) |
||
最低責任準備金 の精緻化 |
・代行給付費相当額の算定方法の見直し ・厚年本体の実質利回りの適用時期のずれの補正 |
||
解散認可基準 の緩和 |
・代議員会における法定議決要件の緩和(3/4⇒2/3) ・事業主・加入者における事前手続要件緩和(3/4⇒2/3) ・解散理由要件の撤廃 |
||
代行割れを未然に防ぐ ための制度的措置 |
・純資産(時価)≧最低責任準備金×1.5 ・純資産(時価)≧最低積立基準額 |
||
他制度への移行支援 | 上乗せ部分の 受給権保全の ための移行支 援策 |
・確定給付企業年金(DB)への移行支援 ・確定拠出年金(DC)への移行支援 ・退職給付の再建支援・中小企業退職金共済(中退共)へ移行の仕組みの創設 ・承認・認可事項の緩和 |
|
企業年金の選 択肢の多様化 |
・キャッシュバランスプランの制度設計の弾力化 ・簡易型DB対象の拡大 |
以降、対応策の内容等に関して掲載予定です。