深刻な「配偶者控除」の壁とは
以前にも年収103万円要件の配偶者控除に関して掲載しましたが、非常勤(※)の女性パートが多い介護職を抱える業界では深刻な問題となっています。
(※)全国の介護職約170万人のうち4割の67万人が非常勤。
介護業界では介護職の処遇改善と人手不足が深刻な問題となっており、これらの問題改善のために時間給を上げる動きが出てきていますが、年収103万が問題解決の壁となっています。
Q,103万円の壁とは
年収103万円以内なら配偶者控除として夫の課税所得を38万円減らせるということで、多くの非常勤の方が年収を調整しています。
処遇改善で時間給が上がると、この分出勤時間を減らすという現象が起きて、人手不足に陥るという新たな問題が起きています。
その他、企業の家族手当の支給要件が、配偶者控除の対象になっているか否かが条件になっていることも問題を大きくしているようです。
実際には103万円を超えて働いても、課税額が急増するわけではなく、自己収入額と
課税増額分を比較して判断してほしいと思います。
政府も配偶者控除の存続の検討を進めているようですが、時間がかかりそうです。
Q,130万円の壁とは
年収103万円の壁以外に、年収130万円の壁の問題もあります。
これを超えると、配偶者の健康保険の被扶養者から外れることと、国民年金の3号被保険者からも外れて保険料が自己負担となります。
女性の社会復帰問題を考えると、これらの壁の問題の解決を急がなくてはなりません。
2016年5月3日