年金相談員コラム
人生100歳時代、定年後の長い人生の生活を支える年金。ここでは年金相談業務で感じたことをコラム風にまとめた記事と、年金をわかりやすく解説した「年金豆知識」も掲載しています。年金相談は人生相談も兼ねていると聞きましたが、その通りでした。
木漏れ日のカフェで一休み
人生100歳時代、定年後の長い人生の生活を支える年金。ここでは年金相談業務で感じたことをコラム風にまとめた記事と、年金をわかりやすく解説した「年金豆知識」も掲載しています。年金相談は人生相談も兼ねていると聞きましたが、その通りでした。
厚生年金の加入者でない自営業者などが、将来の年金を増やすことができる制度があります。
自営業者などで国民年金にのみ加入してきた人は、厚生年金に加入する会社員などと比べて年金額が少額になります。
このような場合、手軽に加入できる「加給年金」や、まとまった額の年金額を増やすことができる「国民年金基金」があります。
Q,手軽に利用できる「付加年金」とは?
通常の国民年金保険料に追加して、月400円の保険料を支払います。
基礎年金受取時に、保険料を納めた月数に200円をかけた金額を、65歳以降、
生涯にわたって受け取れます。
(計算例)40歳から60歳まで20年間納めた場合,毎年4万8000円を受給
年金額=200円×=48,000円
支払った保険料は9万6000円で、2年で元が取れる計算になります。
金額的には少額ですが、お得な年金です。
申込みは市区町村の国民年金の窓口で受け付けており、加入は任意で、何時でも自由に
やめることができます。
Q,年金額をもっと増やしたい場合には?
年金額をもっと増やしたい場合は、「国民年金基金」という公的な制度を利用する方法があります。
月々の掛金は、加入時の年齢や性別、老後の受け取りたい年金額で異なります。
(計算例)40歳の男性が月2万5110円の掛け金を20年間納めた場合、65歳から毎年36万円を生涯受け取れます。(2020年度価格)
掛金は、税制上の優遇措置があり、所得税や住民税が軽減されます。
国民年金基金は、加入は任意ですが、厚生年金に加入して加入資格を失わない限り、途中でやめることができないので注意しましょう。
また、付加年金と同時に加入できないので、どちらかを選ぶ必要があります。
その他、運用結果で将来の受取年金額が変わる私的年金の「個人型確定拠出年金(イデコ)」などがあり、加入者も増えています。
「付加年金」の詳細はこちらをご覧ください。
「国民年金基金」の詳細はこちらをご覧ください。
2021年11月19日
公的年金を受け取り始める年齢は原則65歳からですが、仕事や貯蓄額など、老後に向けた備えなどで早く受け取りたいケースも考えられます。
65歳を待たずに年金請求する「繰上げ受給」を選択する人の比率は、3割近くになります。
繰上げ受給は、最も早くて60歳から受け取りが可能ですが、いくつかのデメリットが発生することを理解して請求することが大切です。
Q,デメリットの内容は?
年金の受給を前倒しにすると、月々の受取額が減ってしまいます。
1か月早めるごとに0.5%ずつ年金額が減額され、60歳で受け取りを始める場合30%(0.5%×60か月)年金額が減額され、この減額された年金が終生続くことになります。
65歳から受け始めた場合と、60歳から繰上げ受給し、本来の年金額から70%減額された場合の受取年金額の総額を比べた場合、76歳8か月以降は繰上げ受給が下回ってしまう計算になります。
人生100年時代と言われていますが、老後の生活資金や健康状態などを考え慎重に検討したほうがよさそうです。
繰上げ受給の手続き後は、取り消しや時期の変更ができないため注意が必要です。
繰上げ制度の詳細は「日本年金機構」のホームページをご覧ください。
2021年10月20日