働く年金世代に有利となる「年金改正」

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年金を受給しながら働いている高齢者が最も関心を示す「在職老齢年金」制度が令和4年度から改正されています。

 

 

働く高齢者の年金請求時に相談事例が最も多いのが在職老齢年金ですが、今回の改正により年金額が減額される人数の減少が予測されます。

 

Q,在職老齢年金とは

老齢厚生年金を受け取っている人が働くと、年金が減額、または支給停止になるのが在職老齢年金です。

賃金と年金の合計額が基準を上回った場合に減額されるもので、老齢基礎年金のみを受け取る場合は、この制度による減額はありません。

 

Q,在職老齢年金の改正内容は

65歳代前半の人の在職老齢年金による計算式

<改正前>

  • 在職老齢年金月額=受給年金月額―(受給年金月額+標準報酬月額(※1)+賞与(※2)―28万円)×1/2

<改正後>(65歳以降の在職老齢年金の計算方式と同じとなる)

  • 在職老齢年金月額=受給年金月額―(受給年金月額+標準報酬月額(※1)+賞与(※2)―47万円)×1/2

(※1)標準報酬月額:通常、毎年9月に年金事務所に届け出る報酬月額。
(※2)賞与の額:(過去1年間に支払われた賞与の合計額)÷12

 

(例:年金が月10万円、月給24万円、ボーナス48万円の場合)
<改正前>

年金月額=10万円―(10万円+24万円+4万円-28万円)×1/2=⇒5万円年金月額が5万円減額

<改正後>

年金月額10万円―(10万円+24万円+4万円-47万円)×1/2=10万円
⇒年金月額が10万円で減額されずに支給されます。

改正後は65歳以降の在職老齢年金の計算方式に統一されることになります。

 

改正前は働くことにより年金額が減らされるため、労働時間を減らすなど労働意欲が損なわれるという問題がありましたが、改正により一定額の賃金では年金額の減額がなくなり、活躍の場が増えると思います。

制度の詳しい内容は「日本年金機構」のホームページをご覧ください。

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