改正DC法「拠出時の税制優遇」

DCの最大メリットといわれている税制優遇は、「拠出時」「運用時」「給付時」の3つの局面で優遇措置が用意されています。

 

gum05_ph02071_burogu_br_2この項ではまず「拠出時」の優遇制度に絞ってポイントを整理してみましょう。

 

Q,拠出時の税制優遇のポイントは

企業型DCで企業が拠出する事業主掛金は、会社が老後のために積み立ててくれるお金ですが、給与には該当しないために社会保険料や税金はかかりません。

 

会社員が負担する社会保険料や税金等は、月給の20%前後と考えられます。

例えば、会社からもらうお金の内、1万円を貯金する場合、給与として受け取った後から貯金すると、20%前後が差し引かれた約8,000円しか貯金できません。

 

しかし、DCなら社会保険料や税金が差し引かれる前前の金額の1万円が貯金できることになり、この2,000円が給付時に戻ってきます。

1万円と8,000円の差の2,000円を30年間積み立てた場合、72万円の差となります。

 

Q,「選択制DC」を採用している場合は

「選択制DC制度」は会社の福利厚生制度の一部として導入し、掛金の実質的な負担者が従業員になっている場合で、従業員の意思でDCに積み立てるか、これまで通りに給与や賞与で受け取ることを選択できる制度です。

この場合も給与や賞与から拠出する掛金は報酬ではなくなるため、社会保険料や税金は
かかりませんので、これらが差し引かれる前の金額を貯金できるのと同じことになります。

 

Q,「マッチング拠出」制度を認めている企業の場合は

加入している従業員は、自由意思で自分の給与からお金を出し、事業主掛金に上乗せして掛金を積むこと(マッチング拠出)が出来ます。

このマッチング拠出できる金額は、事業主掛金と同額までで、合算した金額が税法上の
上限(5万5000円または2万7500円)の範囲内であることが必要です。

 

事業主が掛金上限まで拠出している場合は、この制度は利用できないことになります。

税制優遇は個人型DCの掛金と同様に、年間の掛金全額が所得控除となります。

例えば、毎月1万円をマッチング拠出または個人型DCの掛金として拠出した場合、年間12万円の掛金分だけ所得が減る計算になるので、所得税と住民税の合算を15%とした場合、1万8000円の税金が戻ってくることになります。