個人型確定拠出年金制度の拡充
確定拠出年金法の改正に伴い、新たに個人型確定拠出年金制度(以下、個人型DC)に追加される加入対象者に拠出限度額等の措置が追加されます。
個人型DCは、自己の責任において運用商品を選ぶ年金制度で、企業年金のない会社の従業員や自営業者等に限定されていました。
税制面では、加入者個人の掛金は拠出限度額まで小規模企業共済掛金として全額所得控除の対象となり、所得税等が軽減されます。
以下は改正の概要です。
1)個人型DCの加入者の拡大
新たに以下の加入できるようになり、より多くの人が利用できるようになりました。
・企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者
・企業年金のある会社の会社員
・公務員
・専業主婦等の第3号被保険者
2)拠出限度額が変更になります
企業型DC加入者が個人型DCに加入する場合、企業型DC拠出限度額が個人型DC限度額分引下げられます。以下はそれぞれの限度額です。
改正前の拠出限度額 |
改正後の拠出限度額 |
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企業型DCのみの加入者 | 66万円/年 | 企業型DC 42万円/年 個人型DC 24万円/年 |
企業型DC・確定給付企業年金ある会社の加入者 | 38万円/年 | 企業型DC 18.6万円/年 個人型DC 14.4万円/年 |
第3号被保険者 | ― | 個人型DC 27.6万円/年 |
公務員等 | ― | 個人型DC 14.4万円/年 |
3)拠出限度額が年単位となります
改正前の拠出限度額は月単位でした。月単位の規制では、前月に拠出限度額の使い残しがあった場合、翌月に繰り越して掛け金を拠出できませんでした。年単位になり、賞与等に使い残し分の一括拠出等が可能になります。
4)個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度の新設
・企業型DCを導入する余裕のない従業員100人以下の企業は、個人型DCに加入している従業員に対し、追加で掛金拠出をすることが可能になります。
・現行の確定拠出年金の事業主掛金と同様に、従業員に対する給与所得に係る収入金額に含まず、事業主において損金に算入することができます。
※その他、「小規模企業共済制度」においても制度拡充の改正があります。
※また、平成27年税制改正で中小企業関連に関連する以下の改正事項があります。
・法人税の税率引き下げ
・中小法人の軽減税率の特例の適用期限の延長
・受取配当金の益金不算入制度の見直し
・グリーン投資減税の適用延長