働き方で変わる年金額「在職老齢年金」制度改正

年金豆知識 年金相談員コラム

2020年3月の「年金制度改革法案」のなかで、年金を受給している現役世代に直接関連する年金制度「在職老齢年金」の改革案が提出されていますのでご紹介します。

 

この改革案は、シニア世代に、さらに働いてほしいということで、働くことにより年金額が減額される在職老齢年金制度の年金額の減額基準を緩和する案です。

60歳以降、継続雇用制度で働きながら年金を受給する人からの年金相談で多いのが、「働きながら年金を受け取る際に、年金額がいくら減額されるのか」の在職老齢年金に関する相談です。

 

在職老齢年金は、年金額と給与額(賞与も含まれる)の合算額により、受給年金額が減額されるもので、実際に減額される方が多い制度となっています。

給与の額が多いため、年金が全額支給停止されると思い年金請求されない方が多いのも現実です。

ここでは、改正前の制度で、よく誤解されるポイントを整理します。

 

Q,在職老齢年金で減額される年金額等は

給与額等や年金額が低額の場合は、年金額が減額されるケースは少ないですが、給与等の額がある一定額を超えると一部が支給停止されます。

 

<65歳前の在職老齢年金の計算式(ほとんどの方が当てはまる)>

年金月額支給停止額=年金月額-(給与月額(※1)+年金月額-28万円(※2))×1/2

(※1)給与月額には、直近1年以内に賞与の支給があった場合は、合算額を12で割った額を給与月額に加算します。

上記の計算式で分かるように、給与月額と年金月額の合計額が28万円を超えると年金額が減額されていくことになります。

※2)今回の「年金制度改革法案」では、28万円を47万円にして、減額対象者を
減らすものです。(令和4年4月より改正)

 

Q,受給している年金は全て調整の対象になるのか

上記計算式の年金月額の対象になる年金の種類は、「老齢厚生年金」と「退職共済年金」に限ります。

国民年金から支給される老齢基礎年金は調整の対象外です。給与額が高く在職老齢年金で年金額が全額支給停止されても、老齢基礎年金は全額支給されることになります。

 

また、「加給年金」や「厚生年金基金」の年金額は、老齢厚生年金が全額支給停止された場合に限り支給停止となります。

遺族年金や障害年金も調整の対象外です。

 

Q,在職老齢年金制度の適用は働き方で異なるのか

年金額の調整は、厚生年金加入者に適用されますのでパート等で働いていて厚生年金に加入していない場合は、給与額がいくら高くても年金額との調整はありません。

(注)公務員や私立学校で働いている方は、平成28年10月の年金一元化後は調整の対象になります

また、個人事業主ばあい、事業所得がいくらあっても支給対象にはなりません。

« »