厚年基金解散「マッチング拠出の動向」

平成24年1月に制度が始まった「マッチング拠出」を導入する企業が増えています。マッチング 拠出は、確定拠出年金で企業だけが掛け金を負担していたものが、従業員が合わせて掛け金を拠出 できるように制度が改められたものです。

PHM01_0005_jimusho_br確定拠出年金は、掛け金拠出の上限が月5万1千円(ほかに企業年金がある場合は、半額の2万5500円)で、企業が拠出した掛け金を超えない範囲で従業員が掛け金を拠出できることになります。

運用成績が良好な場合に元手が多いほど運用益も多くなり、将来受け取る年金も増えることに なります。また、掛け金は所得控除の対象になり、運用時の利息、収益分配金などの運用益も非課税扱いで、 一時金受け取り時には退職所得控除、また年金受け取り時は公的年金控除等、税制上の利点もあります。

個人の資産運用に比べ税制上のメリットが大きく、長期運用を考えた運用益の差額は大きいものになります。

多くの企業が低コストで福利厚生を充実させられる制度と評価しており、また会計基準の見直しで、年金の積み立て不足を貸借対照表に負債として計上することもあり、マッチング拠出を採用する企業は、今後も増加が予測されます。

公的年金制度に対する不信が広がるなか、加入者は老後の生活に必要な資産形成への関心を高めています。確定拠出年金は、従業員個人が資産運用するという特徴から、金融資産運用の知識の向上が大きな課題として残っていますが、投資教育をいかに継続し実のあるものにしていくかがポイントになります。
(2013.7.15)