企業年金は年金か退職金か

企業年金には公的年金を補完する役割が期待されていることから、公的年金の上乗せという側面が強調され、企業年金イコール公的年金として社会保障の一部と混同されがちです。

 

SW073_L_burogu_br同じ年金でも、公的年金と企業年金、さらに個人年金は、その性質・役割が異なります。

強制加入で終身給付を伴う公的年金は社会保障の一部で、加入・解約が任意の個人年金は自助努力の年金といえます。

 

確定給付企業年金などの給付建て制度は、規約で定めた給付を中途退職時または定年退職時に支給する仕組みでの退職金制度で、賃金の後払いの性質を有します。

確定拠出年金などの掛け金建て制度は、企業から拠出された掛け金を加入者自らが管理・運用する仕組みであり、退職金(賃金の)の前払いともいえます。

 

企業年金は、労働者側から見れば賃金・退職金などの労働条件、企業側から見れば人事
・労務管理にかかる事項となり、年金だけでなく退職金や人事・労務管理など多面的な要素を含んでいることになります。