被用者年金一元化「変更内容は」

年金一元化で共済年金を一律に厚生年金に統一すると思われがちですが、一元化では以下の3通りに分けられます。
・制度固有の事由を考慮し、従前の仕組みを存続させる
・共済年金を厚生年金の制度にそろえる
・厚生年金を共済年金の制度にそろえる

ET180_L_1_burogu_br以下はそれぞれのポイントを整理したものです。

<従前の仕組みを残すもの>
今回の年金一元化で変更されず従前の仕組みを存続する事項は、「共済年金の女子の支給開始年齢(※)」があります。その他、特定警察職員、特定消防職員の支給開始年齢も従前のままとなります。
※共済の女子の支給開始年齢は、厚生年金の男子と同じとなっています。
<共済年金を厚生年金制度にそろえる主な項目>

厚生年金(一元化後)

現行の共済年金(一元化前)

被保険者の年齢制限 70歳まで なし
老齢厚生・退職共済年金
の在職老齢年金
老齢厚生年金受給者が厚生年金の被保険者になった時
①60歳台前半(注1)
②60歳台後半(注2)
退職共済年金受給者が共済
組合の組合員になった時
・年齢制限なし(注1)退職共済年金受給者が厚生年金の被保険者になった時
・年齢制限なし(注2)
障害給付の在職支給停止 なし あり
障害給付・遺族給付の
支給要件
保険料納付要件あり 保険料納付要件なし
遺族の範囲 □配偶者、父母、祖父母
・妻は年齢制限なし
・夫、父母、祖父母は55歳以上(注3)
□子、孫(注4)
□配偶者、父母、祖父母
・妻は年齢要件なし
・夫、父母、祖父母は年齢制限なし(注3)
□子、孫(注4)
未支給年金 死亡した者と生計を同じくしていた3親等内の親族 遺族(注5)または遺族がいないときは相続人
遺族年金の転給 なし あり
職域年金相当部分 なし あり

(注1)「総報酬月額相当額+基本月額―28万円」の支給停止
(注2)「総報酬月額相当額+基本月額―47万円」の支給停止
(注3)ただし、60歳まで支給停止(遺族基礎年金が支給される場合は支給される)
(注4)18歳に達する日以後最初の3月31日を迎えるまでの間で配偶者のいない者
、もしくは障害等級1・2級に該当する20歳未満の者(共済年金は20歳未満等の年齢制限なし)
(注5)死亡した者によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母

<厚生年金を共済年金の制度にそろえる主な項目>
被保険者期間の計算に関する事項で、改正がありますがレアーケースのため割愛します

一元化後の厚生年金

現行の厚生年金(一元化前)

退職改定 退職した日から起算して、1カ月
を経過した日の属する月から年金
額を改定
資格を喪失した日から起算して、1カ月を経過した日の属する月から年金額を改定